「あっ、またあったね、偶然だね」
なんて出会いを繰り返して男女は仲を深めていく。
そこに偶然なんてなく、何かにひもづけられた必然しかないんだ。
「そんなに世間は狭くないよ」
と広昭(ひろあき)は言う。
広昭と手をつないでいる女性、つい先ほど恋人という関係になったばかりの裕子(ゆうこ)は、
はっと何かに気づき、広昭の顔を見る。
どこか照れくさそうに、下を向きながら歩いている。
「ずっと前から、好きだったんだ。付き合えたら幸せだろうなって思ってた」
「付き合ったら案外そーでもないとか?」
「ううん、いま俺世界で一番幸せかも」
と、こういう話が今日も日本のどこかで繰り広げられてるんだろうなぁと思いつつも、
僕はいつも通り会社で仕事をしています。
あー、会社爆発しないかなぁ。