物語の佳境への展開はまさに圧巻である。
坂道を転げ落ちるようにどんどん加速していき、
気がついたら作者がはじめから用意していたであろう終着点につれてこられる。
ラーメンズの小林さんが、ネタはすべてオチから作る。
そのあとオチがわからないように物語を組み立てるんだといっていたけれども、
それってこういうことなんじゃないだろうか。
圧巻のラスト。そのためだけに読む価値のある小説だ。
欲を言えばもう少しだけ早く読みたかった。
作中に出てくる諸々がやっぱり古いなぁと感じてしまう。
そりゃ二十年ほど前の小説だから古くて当然なんだけどさ。