株主優待の電子化が進んでいます。届くのを待っていてももらえない銘柄が増えました

株主優待の電子化がはっきりと進んでいます。QUOカードがデジタルギフトに変わり、紙の食事券が電子チケットになる。株主にとっては選択肢が増える良い変化です。

ただし副作用もあります。電子化とセットで「自分で手続きしないともらえない」銘柄が増えていることです。封筒を放置すると権利が消えます。

目次

  • QUOカードからデジタルギフトへ
  • 電子チケットは1円単位で使えるものもあります
  • 手続きしないともらえない銘柄
  • アプリが必要な銘柄もあります
  • まとめ

QUOカードからデジタルギフトへ

2026年に入って、QUOカードを電子的な金券に切り替える会社が相次いでいます。

銘柄 変更内容
4668 明光ネットワークジャパン QUOカード→電子マネー(2026年8月権利分から)
7539 アイナボHD QUOカード→デジタルギフト(金額は据え置き)

交換先はPayPayポイント、Vポイント、楽天Edy、nanaco、au PAY、Amazonギフトカード、Apple Gift Cardなど。QUOカードは使える店舗が限られますが、これなら普段使っている決済手段に寄せられます。

会社側も印刷や発送のコストが下がるので、双方に利のある変更です。この流れは今後も続くとみていいと思います。

ちなみに明光ネットワークジャパンは電子化と同時に金額区分も大きく変え、300株以上を大幅に増額しました。電子化の裏で条件が動いていることもあるので、変更の開示は中身まで読む価値があります。

電子チケットは1円単位で使えるものもあります

飲食系の優待券も電子化が進んでいます。ここで差が出るのが使用単位です。

7127 一家HDの電子チケットは1円単位で使えます。紙の1,000円券だと2,300円の会計で釣り銭が出ずに損をしますが、これなら額面を使い切れます。

一方7674 NATTY SWANKYは電子チケットでも1,000円券が10枚という形式なので、端数は捨てることになります。7513 コジマも釣り銭は出ません。

電子化されているかどうかより、1円単位で使えるかどうかのほうが実際の受取額に効きます。

手続きしないともらえない銘柄

ここが本題です。案内が届いても、自分で申し込まないと何も来ない銘柄が増えています。

銘柄 必要な手続き
4679 田谷 Webサイトまたはコールセンターで申込。以前は書類に同封されていた
9760 進学会HD 「株主優待券送付依頼書(ハガキ)」を返信
3199 綿半HD WEB申込システムで商品を選択。未申込は寄付扱い
7313 テイ・エス テック ハガキまたはWebでカタログから申込
6574 コンヴァノ ビットコイン受取にエントリー手続きが必要

田谷はもともと割引券が株主総会関連書類に同封されていました。それが申込制に変わったため、封筒の中身が案内だけになっています。「券が入っていない」と思って捨ててしまう可能性があります。

綿半HDはさらに厳しく、期日までに申込がないと自動的に「2,000円を社会貢献活動へ寄付」への申込とみなされます。放置すると寄付になる仕組みです。

コンヴァノはエントリー締切を過ぎるとその期のビットコインを受け取れず、次回基準日以降を待つことになります。

アプリが必要な銘柄もあります

3175 エー・ピーHD(塚田農場)の電子チケットは、「regionPAY」という専用アプリのダウンロードが必要です。QRコードをカメラで読むだけの一家HDやNATTY SWANKYより、一段ハードルが上がります。

3696 セレスにいたっては、子会社が運営する暗号資産販売所「CoinTrade」の口座開設が必須です。しかも18歳未満と80歳以上は口座を開設できないため、年齢によっては優待の対象になりません。

一方で配慮のある例もあります。一家HDはスマートフォンを持っていない株主向けに、店頭のiPadでスタッフが代理作業する導線を用意しています。NATTY SWANKYは店舗に行けない人に冷凍餃子を配送します。

まとめ

優待の電子化は、使い勝手の面では改善です。デジタルギフトなら交換先を選べますし、1円単位で使える電子チケットは無駄が出ません。

ただし「持っていれば勝手に届く」優待は減っています。案内が届いたら中身を確認して、申込期限を先に押さえる。この習慣がないと、権利を取っても受け取れません。

特に、以前は自動で届いていた銘柄が途中で申込制に変わったケースは見落としが起きやすい。田谷や綿半HDがその例です。

※本記事は公開情報を整理したもので、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。優待条件は執筆時点で公表されている情報に基づいています。購入前に必ず最新のIR情報をご確認ください。