人生の迷子である。
ほしいものは大体手に入れた、と書くとそんなことはないだろう、嘘つきめと思われるだろうけど、本当である。
そもそもほしいものなんてほとんどなかったのである。
有名な南の島の漁師の話(もっと魚を取れば裕福な生活ができるってやつ)があるが、実際そうである。
毎日心をすり減らして、少しばかり人より多くのお金を得ていたとしてもそこに何の充足感もない。
初めはマネーフォワードの口座残高が増えるのが愉快で、いろいろな投資や節約、節税を調べたものの、数字が増えていくことと日々の幸福度が比例しないことに気づいた。
そういう話をすると、ようやく気付いたか、と妻に言われそうだが、ようやくぼんやりとそう思い始めただけで、まだそうはっきりと認識できたわけではない。
それくらいには元来ケチなのである。
さて、巷では副業がブームになったかと思えば、ここ半年くらいで今度はFIREが話題になりはじめた。
おいおい、副業ブームで副業を始めた人はまだ数回の給与が振り込まれてFIREなんて先だよ。次から次に新しいブームを作り、目標を設定されていたらたまったもんじゃないよ。自分の人生なのに他人の価値基準で生きることほど苦しいことはない。
インターネットで月1000円でも稼げればすごい、上位〇パーセントだ!っていっていたのは何年前のことだろう。
今となっては、5万円は稼げないとその人に能力がないように広告が出るし、特別な能力がない人でも三桁万円かせげてしまうように錯覚すらするだろう。
そんなうまい話はない、と月四桁円のブログ収入の私がいっても、お前が負け犬だからで一掃されてしまうだろう。かなしい。
タイトルに書いたように、転職して2社目の会社で10年目を迎える私は人生の迷子になっている。
迷子になっている期間の方が長く、人生とは迷子になることなんじゃないかとすら思えてくる。どの山を登るか?どうやって登るか?とかそんな崇高なことではなく、自分がどこにいて、どんな地面の上に立っているのかすらわからないのである。
お先真っ暗どころではない、現在進行形の真っ暗なのである。
また、この文章にはゴールがない。なぜなら書いている今も迷子になっている最中なのだ。デパートで(もうデパートってないのかな?)迷子になって館内放送で呼び出しをされる子供が、はて、迷子なのは私ではなく親の方なのでは?と考えているのに近い。
迷子は迷子故、自分が迷子かどうかすらわからないのだ。
ここまでで1000文字書いた。次のWEB会議(私自身がでなくても何も影響はないが念のため参加する)の時間が迫ってきたため、筆をおくことにする。
すべての迷子のあなたへ。