〜お知らせ〜
今年から可能なかぎり日常のなんでもなかったことを過剰にエモく書くエモい日記を始めます。応援大歓迎です。
〜お知らせ終わり〜
中学の同級生のS君は家の横が神社で、お正月は必ず家族全員で神社にお参りをするのが習慣と言っていた。
どんなに夜更かしをして年越しで遊んだとしてもお正月のお参りする時間だけは家族が全員揃うそうだ。
年末年始の恒例行事みたいなのがない家に育った私はうらやましくもあり、少し彼の気持ちになったりしてめんどくさいなと思ったりもした。
今年も律儀にS君から年賀状が届き神社の話を思い出した。
少し時間を戻して年を越す少し前、大晦日の22時頃から家でそばを打ち始めた。
「絶対に自分で買わないものをプレゼントするから期待してくれ」
まだ暑い秋口のある日、大学の同級生から結婚祝いに送られたのはそば打ちセットそば打ち太郎だった。
いらねーと思いつつ、一度もそばを打たないで捨てるのは友達の行為をむげにするようでできなかった。
秋口から冬になり、今年は年越しをどうしようかと考えていたら、そば打ち太郎が売ってくれと言わんばかりに存在感を出してきた(そもそもでかいのですごく存在感がある)
楽天で二八そばの粉を買い、大晦日に備えたというわけだ。
そば打ちは思ったよりも大変で出来上がったそばはふぞろいに太く、ぶ厚くで箸で持ち上げるとぶちぶち切れた。
ぐるぐる手で回す製麺機を買おうか悩むくらいそば打ちは難しかった。
はじめはそば打ち太郎をいつ捨てるかしか考えていなかった妻も、そばを打つうちに、来年はもっと上手に打てるようになりたいね。
そば打ちの練習にいきたいね、とどんどんそば打ちの魅力にはまっていくようだった。
「なんで年越しにそば食べるの?」
『長いものを食べて長寿を祝うらしいよ、あと低GIだから夜食べるのに体にいい』
そう言いながら短いボソボソとしたそばを二人で食べた。
来年はもっと上手にそばが打てるだろう、次の年はもっと、その次はさらにもっと。
S君の実家の神社参りじゃないが、我が家にも毎年の恒例行事ができそうだ。
長く綺麗なそばが打てる頃には二人ともすっかり年をとっていることだろう。
その後Youtubeでそば打ち動画を見ていたら寝落ちしたので、後片付けに全く参加せず怒られました。めでたしめでたし。